みなさんこんにちは。
気に入ったアニメがBLアニメなことが度々ある二口です。
Amazonプライム・ビデオで「あなたが興味ありそうな映画」に表示されていた「海辺のエトランゼ」という映画を視聴しました。
絵が綺麗そうだったのでとりあえず見てみるかぁー、という程度で視聴したのですが、思うところがあって紹介したいと思います。
ざっくりとあらすじ
主人公の一人である橋本駿は、小説家の卵で同性愛者である。
学生時代(おそらくは高校時代)に友人に同性愛者であることを拒否されて以来、トラウマを抱えていた。
もう一人の主人公の少年・知花美央は、高校時代に両親を亡くしていた。
海辺にあるベンチに座り、海を眺めていたときに駿に声を掛けられる。
最初は駿の事を拒絶していた美央だったが、次第に二人の仲は深まっていく。
しかし、美央は離れた施設へ預けられることになり、二人は離れ離れになってしまうが、3年後に再び駿の元に戻ってきた実央は「3年考えた。男でも駿が好き」と迫るが、駿は過去のトラウマにより一歩踏み出せないでいるが・・・
といった内容である。
一歩踏み出すと関係が壊れてしまうのでは?と考える駿の気持ちはよくわかるし、美央のスキスキオーラ全開でも駿への配慮を欠かさないところも非常にいい。
しかし、BL系の作品はなぜイケイケ顔のキャラが内向的で、中性的な顔立ちのキャラの方がガツガツしている設定になっているのか謎だ。
本作品は、紀伊カンナ氏による”エトランゼシリーズ”の第1部となっており、本作の続編として”春風のエトランゼ”がある。
”心が、洗われるようなボーイズラブ” は伊達じゃない
本作(本シリーズ)のキャッチコピーが、”心が、洗われるようなボーイズラブ”となっているが、確かにストーリー中に不純物があまりなかった印象だ。
最初の出会いで美央に拒絶をされてしまったが、その後は互いの好意がひたすらに続いていく。
駿が美央とバイト先の客の女性と話している際に抱いた嫉妬だったり、相手を想っても突き放しだったり、そういったものも相手が好きだからこそ抱いた感情なのであって。
なんだろうか、中学生の初々しい恋物語を見ている感覚に似ている。
まぁ、元婚約者の登場など中学生の色恋ではありえない事もありますが。
とにかくです。
この作品を観ていて、心の中が少しムズムズするような感覚を覚えたり、あぁこんな感情あったなぁと過去の自分だったり青春時代を彷彿させるように感じた。
この感覚は本作がBL作品だから感じたのではないと思う。
過去にも「月がきれい」という、中学生の恋愛を描いたアニメを視聴した際にも感じた感覚なので、私の青春フィルターにうまくマッチした作品なのだと思う。
ただ、出会った当時は美央は高校生だったが、実際に恋人同士になったのは20歳になってからで、駿は27歳なので青春恋愛ではない。
もうすこし上映時間が長ければよかった
この作品の上映時間は59分と、他の作品が90~110分程度なのと比べて短い。
原作は未読な為、どの程度が映像として表現されているかは分からないが、短いが故に少しストーリーが駆け足になっているところが散見された。
この59分の中で、過去のトラウマや気持ちの揺れ動き、各キャラクターの心情など、起承転結を表現するのはなかなかタイトだったのだと思う。
バトル物のような、ドンパチやる作品だとある程度ストーリーが雑になったとしても、映像の派手さや壮大さなどでごまかしが効くと思っているが、人間の心情などがメインとなる本作品のような作品はストーリーも映像も丁寧に描いていかないと、違和感が出てしまったり、うまく視聴者に伝わらない気がする。
何故なら、視聴者自体が人間であるが故に、自分の心情だったり過去の記憶とすり合わせたりするからである。
本作品のような同性愛でなくても、初恋やそこに至るまでの焦れったさだったり、もどかしさを感じる事があるだあろう。
そういった繊細な部分をもっと時間をつかって表現をしてくれれば、さらにいい作品になったなぁと勝手に感じました。
余談だが、アニメに関してバトル物の派手な作画も見事だと思うが、本作品のような人間の心情の変化やコンプレックスになっている事柄に絡めたストーリーを表現することは、より難しいのではと考えています。
キャラクターの微妙な息遣いや、セリフが何もない間だったり、ストーリーの流れの緩急など、色々なことが繊細になっていくので、より表現を気にしないといけないと思う。
終わりに
本作品を視聴したきっかけの絵が綺麗は終始見受けられ、作品の舞台となった沖縄県の座味村という離島がとてもきれいに描かれていました。
また、各キャラクターも丁寧に描かれていて、ストーリーも相まってとても綺麗な作品に仕上がっていたと思ういます。
やっぱり、丁寧に作られたのが伝わってくるアニメは見ていて清々しい気持ちになります。
本作品が少し駆け足気味だったので、続編の”春風のエトランゼ”が映像化された際には、もう少し時間を使って表現していただきたいです。
思いの他に、良作に出会えたという話でした。
最後までありがとうございました。