作品の批評なんてやったことないですし、そんな技量はないので、思いつくままに書き込んでいく。
私は学園ラブコメ物が好きです。
しかし、そこにSFチックな要素が加わると、途端に冷めて見なくなってしまう。
これは、私たちが日々暮らしているこの世界の延長線上に展開される物語が好きなのかもしれない。
確かに、学園ラブコメ以外のジャンルでも、現実的な要素が少しあるとリアリティを感じる事ができて、楽しめている感じがする。
前置きはこの辺にして、「この美術部には問題がある!」はアニメ視聴後に原作を購入している数少ない作品だ。
原作者は「いみぎむる」という方だが、私は作品の原作者等には疎いので申し訳ないが知らない。
この作品を端的に説明すると、「二次元嫁」を描くことにしか興味がない主人公の内巻くんと、そんな彼の事が気になってしょうがないもう一人の主人公・宇佐美さん、そんな彼らを取り巻くおかしなメンバーが所属するあ中学の美術部の日常を描いた作品だ。
一般的には、主人公とヒロインがくっつく過程、もしくはお互いに惹かれあるシチュエーションに向かっていくのがセオリーだが、この作品はなかなかそういったフェーズに移らない。
ヒロインの宇佐美さんはあからさまに内巻くんの事が好きなのだが、それを表に出していないと思っている節があるが、周りからは一目瞭然なのである。いわゆるツンデレみたいな物だ。
そんな内巻くんは「二次元嫁」を描く事しか考えていない。
そんな彼を振り向かせたいが為に、作戦を変えて仕掛けていく宇佐美さん。
作品のゴールとしては、恐らく内巻くんが宇佐美さんの気持ちに気付くところだと思うが、
これがなかなか進展しない。
最新巻が発売されて、進展具合はどんなものかと読んでみると、階段で言えば0.5段上がったような感じである。決して1段だったり10段上がるようなことは起きないのだ。
正直、この状態をじれったいとも思わないし、この関係がずっと続けばいいとさえ感じる。
もしかしたら、作者自身もこの状態を楽しんでいるのかもしれない。
そして、私がこの作品が好きな理由が、恋愛とギャグ的な要素のバランスが非常に好みだという事。
これは主観で、人それぞれなので評価とかは無いのだが、私は半々くらいがちょうどいいように感じる。
でなければ、ギャグ100%がいい。「女子高生の無駄遣い」や「あそびあそばせ」のようなものがいいと思う。
逆に恋愛100%のような物は、油もので胸やけしたような感じで作品自体が重くなってまう。
もしかしたら、中学時代の自分と重ね合わせて、あこがれのような時間を感じているのかもしれない。
全体的に話に波のようなものはなく、安定して日常を過ごしていく感じ。
悪く言えば、とがった要素がないといったところ。
おおむね万人受けするような作品だが、逆に安心してみることが出来た。
キャラも、キャピキャピし過ぎていなく、かわいらしくなっている。
こういう表現は気持ち悪くて嫌いなのだが、子犬が戯れ居ている動画を見ている時のような、なんだか癒されるような作品だ。
今後も、ほどほどにくっついたり、離れたり、進展したりする展開を期待したい作品です。