皆さんこんにちは。
車が大好き二口です。
ヒュンダイが12年ぶりに日本市場に再進出するというニュースを少し前に目にして、果たしてヒュンダイは日本市場で成功をする可能性があるのか考えてみました。
果たして、ヒュンダイの運命やいかに・・・
そもそも「ヒュンダイ」って何?
ヒュンダイとは、正式には「現代自動車」(英名:Hyundai)という韓国の自動車メーカーです。
本国では「ヒョンデ」と読むようで、日本再進出の際にも「ヒョンデ」の名前で販売をするようです。
日本では余り馴染みがないメーカーですが、グループ別でみると世界的に見て4位の巨大グループになっています。
規模的にはホンダと同規模が少し大きいくらいと考えていいと思います。
始まりは、フォードの技術供与を受けてフォード・コンチネンタルのノックダウン生産でした。
その後、自社開発をする際に三菱自動車より生産技術供与を受けて、韓国初の国産車を生産・販売しました。
つまり、今のヒュンダイの下地を作ったのは三菱自動車となっていて、日本とは切っても切れない繋がりがあります。
初期の頃は、いわゆる安かろう悪かろうというクルマ作りをしていたようだが、近年ではデザイナーを欧州車メーカーより引き抜いたり、品質・信頼性の向上を図り、各地域での安全評価で高い数値を出しているなど、今現在ではかつてのイメージは払しょくされているようだ。
この点は、以前のヒュンダイを知っている日本人がイメージするヒュンダイ(韓国車)とは異なっている。
2001年に日本市場に進出するも撃沈していた
日本市場でほぼ名前を聞かないヒュンダイだが、実は2001年に新車販売を行っていましたが、販売実績は散々だったようで、2009年には乗用車販売から撤退してしまいます。
ウィキペディアに記載があるが、撤退までの9年間に販売した台数は約15,000台程度(バス含む)である。
1年で最も販売台数が多い年でも2,500台程度である。
ちなみに2022年2月のホンダ・Nboxの販売台数は19,974台であることを考えると、いかに売れてなかったかが分かるだろう。
この販売不振の原因は恐らく、日本市場を見誤っていたのが原因と考える。
ヒュンダイは比較的安価で品質が良いというのを売りにしている。いわゆるコスパが良いというやつだ。
日本市場の販売数の大半を占める日本車も、高品質・比較的低価格が売りで、こちらもコスパが良いというキャラクターだ。
日本人は車に関しては保守的だと考えるが、その根底にあるのは世界に誇れる「日本車」のお膝元だからというのもあると思う。
より個性的・ハイパフォーマンスなモデルが欲しかったら欧州車という選択肢がある。
日本人の中では輸入車=ハイブランドのイメージがある中で、果たしてヒュンダイを選ぶだろうか?
(車に知見がある人は、輸入車=ハイブランドではない)
要は、日本市場には最初からヒュンダイの居場所が無かったのだ。
再進出は成功するのか?
2022年2月に、ヒュンダイが日本市場に再進出すると発表がありました。
販売する車種は以下の2車種である。
- アイオニック5(EV:電気自動車)
- ネッソ(FCEV:燃料電池車)
なかなか攻めたラインナップである。
現在の日本市場でのEV車の販売台数は少なく、販売割合は圧倒的にガソリン使用車の割合が大きい。
ましてや、FCEVなんて滅多に見ることが出来ない。
そんな中で、EV車・FCEV車を引っ提げてきて、販売台数が見込めるだろうか?
日本でのEV車普及は時間がかかる
EV車は今後多少なりとも普及するとは思うが、しばらくはガソリン使用車がメインとなると思う。
理由としては、やはり充電環境に不安を感じる点である。
今現在の急速充電を使用しても、30分で80%といったところだが、ガソリン使用車であれば3~4分程度で満タンにすることが出来る。
ましてや、その急速充電が出来る公共充電ステーションの数もまだまだ少ない。
全国にあったガソリンスタンドは2000年には5万店舗以上あったが、2020年には2万9千店舗程度になってしまった。
一方のEV車向けの充電器の設置数は2020年で2万9千基で、EV車の躍進を感じるなどという記事を目にするが、これは比較自体が間違っている。
そもそも充電(給油)する時間合わせないと、単純に比較が出来ないのだ。
今現在普及しているEV車が急速充電で30分、ガソリン車が満タンで3分として同じ充電(給油)環境を構築するには、単純に10倍の急速充電器が必要となる。
さらに、2万9千基の充電器の内訳は充電に4時間以上かかる通常充電器が2万2千基程度、急速充電器は8千基弱しかない。
もっと言うと、ガソリンスタンドは店舗数であって、充電器は設置箇所数ではなく設置数であるために、比較をするならガソリンスタンドの給油器数と比較するべきだ。
これらを考慮すると、EV車をガソリン使用車と同じ使い方をしようとすると、急速充電器が設置してあるステーションを把握して、充電時間も考慮して上で移動の工程を組み立てなければならないという事です。
ガソリン使用車と同じと思ってはいけない
EV車を販売している日産の電気自動車(EV)総合情報サイトというところに、「電気自動車の充電時間は長いのか?」というブログがある。
内容を読んでみると、やはり不便という印象しか受けなかった。
充電時間は何かをしていれば充電待ち時間は実質ゼロと書いてあるが、欠点を無理やり利点かのように書いてある節がある。
内容としては、夜寝ている間に充電をすれば、充電待ち時間・充電の順番待ち・充電に行く時間をなくすことが出来るという事だ。
しかしこれを実現できる人は、自宅が持ち家で充電器を購入・設置出来て、充電時間が十分に取れるスローライフを実現できている人に限られるという事だ。
仮に外出先で充電するとして、充電時間の約30分は時間をつぶさないといけないし、急速充電器が設置されているか・空いているかを確認しないといけない訳だ。
充電タイミングでこの2つを毎回考慮しないといけない。
何より「充電に行く」という行為が、ガソリン使用車ではない概念だと感じた。
ガソリン使用車の場合は、給油時間を考慮する必要がないので、出掛けたついでに給油をするので、給油をする為に出掛けるという事がそもそもない。
EV車で出掛けたついでの充電をする為には、急速充電器が設置されている場所・店に行かなければならない。
どちらにしても、制約が付くという事だ。
ヒュンダイは日本で売れるのか
上記のように充電環境に足を引っ張られて販売台数が思うように伸びていないEV車の日本市場だが、売れているEV車はどういった車種なのか。
1. 日産・リーフ
2. テスラ・モデル3
3. ホンダ・ホンダe
リーフとホンダeとい安心の国産メーカーと、テスラという世界ブランドが売れている訳なのだが、その中にヒュンダイという日本人の中では未知数のブランドのEV車が売れるだろうか?
モデル3が520万円からで、アイオニック5は480万円からとなると、価格帯を考慮しても大した価格差ではないと感じる。
あとは乗り味やインテリア・エクステリアの好みに分かれるが、ブランド買いをする日本人の特性上はテスラには敵わないと予想します。
FCEV(燃料電池車)のネッソは言うまでもない。
では何故ヒュンダイがこの販売ラインナップで日本市場に再挑戦をするのかというと、狙いはおそらくヒュンダイブランドの構築だと思う。
アメリカ市場では魅力的な車種を販売しているヒュンダイで、スパイシーなVeloster Nやヒュンダイの代表車種のSONATAなどは導入しないようだが、どの車種も日本メーカーで類似車種が存在していて、差別化が難しいという事だろう。
そこで、日本市場で競合車種が少ないEVやFCEVを導入してブランドイメージの認知・向上を図ろうという考えなのかもしれない。
ただし、前述したとおりに販売台数で存在感を示すことは難しいし、導入車種の特性上で低価格の実現も難しいと思う。
かといって、テスラやメルセデスなどのように日本市場でキャラが立っている訳でもない。
という訳で、今のままだと前回の進出時と同じように日本市場に居場所がないというのが現状だと思う。
韓国文化が好きな若者が買う?そんなわけない
Googleにてヒュンダイ(ヒョンデ)のニュース記事を検索するとこんな記事が出てくる。
・「韓国文化」に慣れた若者がターゲット!
・韓国にネガティブな印象を持っていない人がターゲット!
車を購入する人の心理を全く知らない人が書いたのかと思った。
まず、日本人の多くが車を購入するときに国産メーカーから選ぶことになる。
これは過去の経験だったり価格の問題なのだが、国産メーカーで必要十分なラインナップが用意されているし、アフターサービスも手厚い。
選択肢として間違いないという事だ。
そして、それ以外の価値観を持っている人が輸入車を候補にする。
このそれ以外の価値観を持っている人が候補にする物は、ブランドの歴史やブランド力・商品パフォーマンスとなり、それが販売されている車の深みにもなってくる。
車を選ぶときにメーカーの国籍を持って選ぶ人はほとんど居ないと思うが、選ぶとしてもやはりブランドの歴史やブランド力を持って候補となってくるだろう。
ましてやコスメや服などと違い、気軽に購入することが出来ないクルマの話である。
そういった理由から韓国文化が好きだからといって、韓国車だから購入するという人はほぼ居ないだろう。(多少いるかもしれない)
大体に、今の若者はクルマを気軽に購入できるほど収入が多くない。
当のヒュンダイ(ヒョンデ)はそんなことを期待して進出したとは思えないが、あまりに稚拙なコラムで鼻で笑ってしまった。
最後に
ヒュンダイ(ヒョンデ)が日本市場に再進出するが、その道は険しいのではと考える。
国産メーカーの層が分厚い日本市場で、ドイツメーカーの躍進が目覚ましく日本市場も多少の変化が現れてきている中で、ヒュンダイはどのように存在感を示せていけるのか。
デザインや性能で日本車をはるかに凌駕して、価格は日本車並みか以下でないと中々厳しいというのが現状かもしれない。
散々否定的に書いてきたが、クルマ好き(知識として)の私としては選択肢が増えることはうれしいし、そういった黒船的な海外勢の存在が日本メーカーの危機感を煽って、より面白いクルマが増えてたらいいなぁと考えている。